加藤ヒロユキ氏
加藤ヒロユキ氏(中央)と吉田理事長(右)と渡邊副理事長(左)

吉田智佐子さま
「トルコにはまって一年のうちに何回も行ってます」という貴女のお言葉を聞いたのは、もう10年以上も前のこと。今度一緒に行きましょう、とのことで僕も二回連れて行ってもらいましたね。
それまでに僕はアメリカやヨーロッパの有名都市は旅しておりましたが、トルコについては全く知識や興味がなく、貴女の情熱的なトルコのお話を聞いて心が動かされ、ツアーに参加させてもらいました。
クレオパトラも訪れたというエフィソスの古代都市では、二千年以上も前にタイムトリップした気分を味わい、カッパドキアでは妙味ある洞窟ホテルに宿泊し、早朝に気球に乗せてもらいました。みんな初体験ばかり!
初体験と言えば、ヒエラポリス-パムッカレの遺跡に行った時のこと。古代の円形劇場の舞台中央に立って石段の客席を眺めていたら、智佐子さんが「ここで一曲どうですか?」と促してくれました。それじゃ、と僕も調子に乗って「オーソーレーミ~オ♪」とカンツォーネをひと節歌ってしまいました。石でできた古代円形劇場の遺跡の音の響きを体感できた瞬間です。声はよく響きました。ロシアから観光に来ていた人たちも拍手喝采してくれました。このとき歌ったのを録音して、MBSラジオの僕の番組でも放送したら大きな反響がありましたよ。得難い体験です。
旅行中にガイドの人が言っていた言葉が印象的です。
「トルコは昔から喧嘩が強いので、周囲の国から嫌われて仲が悪い。でも、日本人はそんなトルコの人たちに優しく接してくれた。だから、トルコ人はみんな日本人が好きなんだ」
このあと彼は明治時代のエルトゥールル号遭難事件のことを話してくれました。なるほど、そんなことがあったのか、知らなかった。だから、トプカプ宮殿を見学していると、トルコの高校生の男の子たちから握手を求められたのも納得できました。みんな学校の歴史の時間で習っているらしい。
自国ファーストばかりが叫ばれている昨今、お互いの国の事を思い遣り、仲良くなれるのがいちばんの希求です。
なので、トルコと日本の懸け橋になって動き回っている智佐子さんを僕はいつも応援しています。
たまに僕たちは智佐子さんに電話をかけて留守電になると、「またトルコに行って日本にいないんだろうなぁ」と噂しているんですよ。

コンサート中の加藤ヒロユキ氏
加藤氏と吉田理事長と渡邊副理事長

2019年10月24日